「コンクリートから人へ」どころか 公共事業に大盤振る舞い

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整備新幹線の3区間の建設にもゴーサイン

   一方の政府・民主党も新名神高速道路、八ツ場ダムの凍結を解除し、整備新幹線の3区間の建設にもゴーサインを出すなど、政権交代時の「コンクリートから人へ」の旗を事実上、降ろしている。小沢新党の分裂もあって、今選挙をすれば惨敗必至とあって、総選挙をできるだけ先送りし、その間に他の政策課題でも成果を上げ、党勢を回復させたいのが本音。財務省も、「補正が早すぎると、2013年秋に失速して14年からの消費税率8%への引き上げが先送りにでもなったら大変」(関係者)として、補正を急ぎたくない意向という。

   こうした動きに、2012年度予算関連法案の中で再重要の赤字国債発行法案の処理も絡む。政府は「(同法案が成立しないと)財源が10月に枯渇する」(安住淳財務相6日の会見)として、補正の前提に同法案を位置づけ、野党をけん制。野田佳彦首相も9日の衆院予算委答弁で、同法案成立が解散の前提との考えを示した。これに対し、自民、公明の執行部からは、解散を約束すれば成立に協力するとの声が出ているものの、話し合い解散、さらに大連立を含めた政界再編を模索する動きも底に流れる。与野党の思惑は入り乱れ、「今後の展開はなかなか見通せない」(与党筋)のが実態だ。

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