教育評論家「おかしさに気づくべき」
遺族への対応について、文科省児童生徒課では、こう説明する。
「そのご要望、ご意見を十分に聞いて、できるだけの説明をすることになっています。生徒アンケートを遺族に見せることのいい悪いは言えませんが、アンケの内容説明は必要だということです」
ただ、アンケについては、「安易な公表は避けるべき」だとする。
「アンケだけで、いじめについて判断されるべきではありません。いろいろな観点から、その事実関係を調査する必要があります。ですから、公表によって、アンケの内容が一人歩きして情報が混乱するのは好ましくありません。誓約書のいい悪いは言えませんが、アンケの取り扱いは慎重にすべきです。誓約書があるとすれば、学校側はそれを踏まえた対応をしたのではと思います」
大津市立中学校の説明に問題はなかったかについては、「事実確認をしている最中ですので、何とも判断できません」としている。
教育評論家の尾木直樹さんは、中学校などの対応には疑問があると言う。
「デリケートな問題なので、生徒アンケの取り扱いについて、お互いに気をつけましょうというのなら分かります。しかし、誓約書という形で取るのはいかがなものかと、不快感を持ちますね。そこまでするなら、学校側の調査も厳密にあるべきだと思うからです。アンケの結果も発表せず、『葬式ごっこ』などの記述も見落としており、自分たちのおかしさに気づくべきですよ」