上野動物園長はなぜ涙を見せたのか パンダの死「40分記者会見」の異様

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「死んでしまったが、名前を付ける予定はあるか」

   それ以外にも、「ニコニコ動画」などを見ていた視聴者から「ひどい」という声があがった質問も、いくつかあった。ひとつが、1985年に初めて上野動物園で生まれたパンダ「チュチュ」を引き合いに出した質問だ。

「チュチュの場合、43時間で死んでしまって、飼育員の方が名前を付けたと思うが、今回も、死んでしまったが名前を付ける予定はあるか」

   この質問に対しては、パンダの飼育責任者の福田豊副園長が「今のところは今日の出来事ですので、考えていない」と応じた。

    さらに「母親のシンシンの展示の予定はどうなるか」「その後のシンシンの様子は?」といった、母親についての質問が続くと、土居園長は涙を見せ、終始声を詰まらせながら質問に答えた。

   それ以外にも、赤ちゃんが死んでから発表されるまでに 「かなりタイムラグがあったのではないか」と動物園に対する批判も出た。これに対しては、土居園長が

「特定の人にしか知らせていなくて、死亡の原因もちゃんと確定しないといけないということでスタッフを集めたしていたので、なかなか余裕がなかったということもある。変な情報が流れても困るので、そういった点にも気を遣った」

と釈明した。動物園側がやや強い調子で反論したのが、赤ちゃんを保育器に戻すという判断についてだ。記者は「残念に思われている中、こういう質問は恐縮だが、母親に戻したという判断は正しかったと思っているのか」と聞いたが、福田副園長は

「母親に戻したのは正しかったと思っている。ひとつは、昨日の夕方状況が良好だったということと、小さくて弱い動物なので、人間がいくら保育器の中で面倒を見るといっても、いくら一生懸命やっても、母親のようにはできない」

と言い切った。

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