子供の人権や健全な育成、いじめ問題に取り組んでいた短大の准教授が、少女にわいせつな写真を撮影させて購入し、その写真をパソコンに保存していたとして逮捕された。
ネットでは、研究熱心な学者だから危ない分野にも手を伸ばしたのではないか、という見方も出ているが、大学は「専門分野の研究とは関係がなかったようだ」と話している。
「プロとしての保育者論」という著書もあった
逮捕されたのは青森市にある「青森明の星短期大学」の鷲岳覚(わしおか・さとる)准教授(37)。報道によれば、2011年12月8日から同月下旬にかけ、出会い系サイトを通じて知り合った山口県内の女子中学生(当時15歳)のみだらな写真をこの女子中学生に撮影させ、ネットを使って数十枚を送らせた。この中学生から相談を受けた山口県警が捜査し、児童買春・ポルノ禁止法違反(製造)の疑いで12年7月10日に逮捕した。この2人は面識がないという。
准教授は少年院法務教官、スクールカウンセラー、幼稚園発達相談員などの経歴を持ち、現在は同短大の子ども学科学科長、同短大付属教育カウンセリング研究所所長を務める准教授の職にある。著書も多く、「プロとしての保育者論」「気になる幼児の支援のためのチェックリスト」など20冊に及ぶ。
「子どもの現場のこれからをみんなで考える」というシンポジウムを開催。ほかにも、インターネット犯罪に関して、青森県の地元紙「東奥日報」のインタビューを受け、2009年12月7日付け(ネット)で、情報はそれを見る人によって様々な捕らえ方があるため、出ている情報が間違っていても晒された人の名誉回復は難しいと指摘している。そして、
「時間はかかるかもしれないが、少しずつ声を上げて、ネット犯罪について社会全体で考えていく必要がある」
などと答えていた。講演で飛び回ることも多く、講演スケジュールは2013年の2月までびっしりだったという。
「研究や論文作成のため買ったものではない」
ネットでは今回の逮捕について、
「専門分野を追求するあまり犯罪にも手を染めてしまうのか?」
などといった様々な意見が出ている。
今回の事件について短大に話を聞いてみると、わいせつな写真を取引した相手が18歳以下の女性であったため逮捕されることになった、と説明した。警察の情報として、パソコンに保存していたのはこの女性1人のもので、ネット上に公開はしていない。現在は警察で余罪があるかどうか調べている。
研究熱心で知られる学者だったため、写真購入もレポートをまとめるための材料だったのかと聞いてみたところ、
「研究や論文を書くためにやったことではないようです」
と話した。今後は警察の取調べを待ち、しかるべき処分を下すことになる、という。