「問題の根本は教育委員会にあるが…」
越市長は外部の有識者による調査委員会を設置し、事実関係を調べ直す方針を明らかにしている。7月6日の定例会見では教育委員会の調査方法に対し「実名で回答した生徒に追跡調査で聞いている事実と聞いていない事実がある」と問題点を指摘した。また、涙を流しながら「最初に十分な調査、公表ができていれば、ここまで問題が大きくなることはなかった」と話し、教育委員会の対応が不十分だったことを認めていた。しかし強い口調で批判したという報道は見られず、市長は腰が引けている、教育委員会を守りたいのだろうなどの批判も出ていた。
これが影響したのか、「スッキリ!!」放送と同日の7月10日、毎日新聞(電子版)に、越市長が「市教委の調査は信用できない。再調査で徹底的に調べたい」と話したと書かれた記事が掲載されている。
越市長は12年3月、自殺した男子生徒が通っていた中学校の卒業式に出席し、小学校と高校でいじめを受けていたことを涙ながらに告白していた。小学3年生の時に交換日記に暴言を書かれ、高校1年の時には同級生に昼食の仲間に入れてもらえなかったと話し、通学しようとすると腹痛になったこともあったという。「今までに2回死にたいと思ったことがある」とも打ち明けており、いじめの問題に対しては並々ならぬ気持ちがあるものと思われる。
越市長は教育委員会への批判を明言したが、市役所全体の認識としてはどうなのだろうか。市の広報課に問い合わせたところ、「この問題の根本は教育委員会にあると言える」と話したが、完全に市長の意見と同一とは言いにくい、といった口ぶりだった。