エスカレーター歩行は「目的外使用」
一般社団法人 日本エレベーター協会によると、エスカレーター歩行はエスカレーターの普及にともなって自然発生的に増えていったという。2008年1月から09年12月までの2年間の転倒事故件数は約1200件で、5年前は約670件、その5年前は約420件、そのまた5年前は約320件と年々急増している。すべての転倒事故が歩行に起因するものかどうかは確認していないが、歩行による転倒事故は少なくないとしている。
エスカレーターの安全規定は歩くことを前提にしておらず、エスカレーターを歩行することは「目的外使用」にあたるそうだ。名古屋市営地下鉄、大阪市営地下鉄など、歩行を禁止している地方の交通局もある。しかし抑止にはつながっていないのが現状だという。
関東ではエスカレーターの右側を歩行者のために空け、関西ではその逆、というのが一般化しているが、体が不自由で、やむをえず歩行者側に立ち止まる利用者もいる。中にはそうした人を後ろから罵倒するケースも見かけるという。また、エスカレーターはまれに急停止する場合があり、歩行していると転倒する可能性が高い。金属製なので、軽いけがでは済まない場合もある。自分だけでなく周りの人を巻き込むこともあり、エスカレーター歩行はやめてほしい、と話している。