「聖域」だった本社もいよいよリストラ
本社人員の大幅な削減となると、パナソニック史上で初めて、とされる。同社は創業者である松下幸之助氏の意向もあって日本的な家族主義を標榜してきたため、これまで人員削減には慎重だった。
それが、2000年に「破壊と創造」をスローガンに掲げた中村邦夫・現相談役の社長時代以降、「聖域なき改革」のリストラ策に取り組んできたはずだった。ところが、歴代トップが踏み込まなかった「聖域」として、7000人に膨れ上がった本社が残った。
津賀社長が、本社に大ナタを振るわざるを得ないのは、過去最悪の7721億円の最終赤字の解消への「覚悟」の表れでもある。13年3月期は、薄型パネルの生産縮小などのリストラに加え、成長が見込める太陽電池や白物家電事業を業績回復の柱に据えて、最終損益は500億円の黒字転換を見込んでいる。