ソウルの日本大使館に60代の韓国人の男が運転する1トントラックが突っ込み、正門が破損するという事件が起きた。男の身柄はすぐに韓国の警察によって確保された。
トラックには「独島(日本名・竹島)はわが領土」と書かれた紙が貼られており、犯行の動機が注目されている。
「竹島は日本固有の領土」と書かれたくいを像に縛りつける
藤村修官房長官が2012年7月9日朝の会見で明らかにしたところによると、事件が起きたのは同日早朝の4時58分頃。正門に車両が突入し、鉄製の門扉がレールから外れて破損したという。けが人はなかったという。
大使館では、朝になって韓国の外交通商部に厳重な抗議をし、再発防止を求めた。藤村官房長官は、原因について「韓国の警察の取り調べ中で、何ら分かっていないのが実情」と述べるにとどまったが、聯合ニュースなどの韓国メディアによると、男は警察の調べに対して、大使館前の通りに設置された従軍慰安婦を象徴する少女の像に、日本人男性が「くい」を縛りつけたことに抗議するために犯行に及んだと供述しているという。
くいが像に縛り付けられたのは6月19日早朝。この時の様子はユーチューブで「韓国ソウルの慰安婦像に『竹島の碑』を突き渡す!」と題して公開されている。動画では、政治団体代表の日本人男性が、いわゆる「従軍慰安婦」のことを「売春婦」と呼び、日本語と韓国語で「竹島は日本固有の領土」と書かれた、日の丸のデザイン入りのくいを従軍慰安婦の像に縛り付ける様子が収められている。
男性は動画の中で、今回の行動の理由を、
「なぜ売春婦の像に竹島かと言えば、すべての根源は竹島にあるから。竹島の侵略の正当性を日本に主張されると困るから、韓国は売春婦のことを言い立てる」
と説明している。
この行動をめぐっては、韓国国内で反発が強まっている。聯合ニュースによると、元慰安婦らはソウル出入国管理事務所に対して男性の韓国入国禁止を求める申請書を提出したほか、ソウル中央地検に名誉毀損と冒涜の疑いで男性を告訴・告発している。