再生エネ期待は大きいが 普及と国民負担のジレンマに苦しむ

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北海道と東北の風力フル活用だけで3000億円の資金

   もう一つの大問題が送電網だ。現在の送電網は原発や火発など大規模な発電所から大都市に送ることが軸。ところが、太陽光や風力などは点在する遊休地、休耕田などを使う比較的小規模の発電所が多い。北海道や東北に風力発電に適した土地が多く、日照の多い九州は太陽光が力を発揮するとみられる。

   資源エネ庁の研究会の中間報告(4月)は、北海道や東北の風力を生かすよう提言、具体的に例えば北海道と本州を結ぶ送電網を現行の60万キロワットから90万キロワットに増強することなどを盛り込んだ。

   こうした送電網の整備には、5~10年かかるとされ、北海道と東北の風力をフル活用するためだけで3000億円もの資金が必要とされ、全国的に風力以外を含めた必要額はもっと膨らむ。制度開始の日に福島の風力発電所を視察した枝野幸男経産相は、北海道、東北に「風力発電重点整備地区」(仮称)を設けて財政支援する考えを示したが、具体化は来年度予算以降の話。

   より効率的な送電網整備のためには発電と送電の分離も必要とされ、再生可能エネの普及には息長い国民的な取り組みが不可欠だ。

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