再生エネ期待は大きいが 普及と国民負担のジレンマに苦しむ

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ドイツやスペインでは買い取り価格を大幅に引き下げ

   電力会社は買い取り費用を電気料金に転嫁する。7月以降の標準家庭の電気料金は月額75~111円(平均87円)上がる。この数字だけを見れば大したことはない感じがするが、福島の事故に伴う費用負担がのしかかる東京電力はもちろん、原発の停止に伴う火力発電の原料費(天然ガス、石油)のコストアップは全電力会社に共通で、東電以外でもいずれ電気料金が値上げされる公算は大きいから、安心してはいられない。

   メーカー、スーパーやコンビニなどの電気料金も上がるから、価格に最終的に転嫁されれば、影響は単に自分の家庭の電気料金にとどまらない。

   しかも、再生可能エネの買い取りは確実に増えていく。現在の再生エネ比率は11%(大規模水力を含む)。政府が12年夏に策定する予定の新しいエネルギー基本計画ではその比率は原発の代替として、2030年に最大35%程度 にまで引き上げられる見通しだ。同制度で先行するドイツやスペインでは国民の負担が過重になり、買い取り価格を大幅に引き下げている。再生エネ普及と国民負担のジレンマに、日本も苦しむことになる。

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