一部の高給取りと多数の低賃金社員が… サラリーマンの生涯賃金10年で9.6%も減

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「成果主義」が賃金を押し下げている?

   それにしても、生涯賃金は10年前と比べて約1割、2940万円も減っている。とくに2008年と09年、つまりリーマン・ショック前後の落ち込みは激しい。08年は2億9290万円だったが、09年は2億7580万円。株価急落に消費低迷と、企業の業績悪化が原因とはいえ、わずか1年の違いで1710万円もの差がある。

   前出のJILPT、堀研究員は生涯賃金が減っている原因が、企業の業績悪化のほかに、「グローバル化や成果主義の導入があると推測できる」とも説明する。

   実際にサラリーマンの給料は、年齢とともに賃金が上昇することが少なくなり、「賃金カーブ」のフラット化が進んでいる。年齢給や勤続手当、家族手当や住宅手当などの福利厚生関連の「手当て」が廃止されたことも、給料の上昇を抑えるのにひと役買った。

   堀研究員によると、「近年は賃金分布が大きくばらつくようになってきました。つまり、賃金格差が大きくなって、しかも年齢が上がっていくほど賃金格差も広がっています」という。

   ごく一部の高給取りの社員と、低賃金で働く多くの社員で会社が構成されていて、全体の生涯賃金の平均も押し下げているということらしい。

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