大阪市の橋下徹市長が2012年7月5日朝の記者会見で、いじめ問題への認識を問われ、「本当に、子どものことを考えたら、悔しいだろうし…」と、声を詰まらせて涙を流す一幕があった。橋下市長には7人の子どもがいることが知られている。
会見では、ニコニコ動画の記者が、いじめ問題について視聴者から寄せられた質問を
「教育委員会や学校の姿勢について、どうあるべきだとお思いでしょうか。市長として、弁護士として、そしてひとりの父親として、お考えをお聞かせ下さい」
と代読した。この質問を寄せた視聴者は「大阪市に住み、娘を中学校に通わせている43歳の男性」だといい、11年10月に滋賀県大津市の中学2年男子(当時13)が、いじめが原因とみられる飛び降り自殺をしたことを念頭に置いているとみられる。
声を詰まらせて10秒以上沈黙
橋下市長は、
「あの事件は、本当に痛ましいですね。まだ事実が明らかになっていないが、やっぱりああいう事件をなくしていくのが教育行政の役割であり、僕らのような行政の責任者が、本当に一番、そこに力を注がないといけないことだと思っている」
と一般論を答えていたが、突然
「本当に、子どものことを考えたら、悔しいだろうし、まぁね…」
と声を詰まらせ、涙をぬぐいながら10秒以上沈黙。
「まぁね、しっかり行政としてやらなきゃいけないですね」
と声を絞り出した。
行政としての具体的対応策を問われると、
「ああいう問題は難しいところがあって、大きく(事実関係を)出してしまうと、加害者として扱われるところがあって、そちらの方もあるから、何でもかんでもすべてオープンにできない事情はあると思う。でも、もうちょっと早く気付いてあげられなかったのかと思いますけれどね…」
と、再び声を詰まらせた。
会見は2時間半にわたって行われ、いじめ問題の話題の後は、再び20分にわたって通常通りの記者とやり取りが続いた。