リクルートが13年度に上場へ 「時価1兆円」、海外展開を加速

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   人材採用や住宅情報などにまつわる出版・広告事業などを幅広く手がけるリクルート(東京都千代田区)が、早ければ来年度にも株式を上場する方向で検討に入ったことが明らかになった。今年10月1日に設立する、グループを統括する持ち株会社「リクルートホールディングス」の株式が対象となる。

   東証と大証が来年1月に経営統合して誕生する、「日本取引所グループ」傘下の「東証1部」での株式公開とする方向だ。「時価総額は1兆円」との指摘もあり、「新規上場としては久々の大型案件」(証券大手)。かつての「リクルート事件」のダメージも克服し、上場までこぎつけた。

リーマン・ショックから持ち直す

   リクルートの峰岸真澄社長は6月22日の株主総会で、上場を目指す方針を説明した。非上場だが、20%の筆頭株主である従業員持株会の関係者や取引先の金融機関、広告会社などの株主が出席していたようだ。海外展開を強化するうえで上場企業となることによって信用度を増し、かつ必要な資金を調達する狙いなどを語ったという。

   リクルートの売上高(営業収益)は2008年度に1兆円を超えた後、リーマン・ショックの後遺症などから2009度、2010年度には7000億円台に落ち込んだ。しかし、求人広告件数が持ち直すなど企業の採用意欲の回復を追い風に2011年度は8066億円となり、営業利益は前年度比27%増の1150億円だった。4月1日現在の従業員は5974人。

   リクルートは昨年、米国の人材派遣会社を買収するなど、海外事業の強化を図っている。売上高も2012年度は海外効果を踏まえて4年ぶりの1兆円回復を目標としている。国内は市場が頭打ちであるだけに、さらなる成長を目指して新興国にも進出する方針。上場で調達した資金は、海外企業の買収などに充てるとみられる。

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