「今後のあり方検討する」とトーンダウン
東電の株主総会で、東京都の猪瀬副知事が東電病院を一般開放しない理由を問い質すと、東電の山崎雅男副社長は「都のほうから難しいといわれた」と釈明した。
しかし、これがウソだった。東電が一般病院への移行について東京都に相談した際、都の担当者は「条件さえクリアできれば、一般開放は可能」と回答しており、都が一般開放に難色を示した事実はない。また、その後も東電からは一切の相談はなかった。
さらに売却できない理由について、山崎副社長は「東電病院から医師を派遣している福島への医療支援を続けたい」と述べたが、派遣の実態は週末のみ1人であることも調べがついていた。
勝俣恒久会長は、土日しか派遣していない事実を認めたうえで、「支援体制も落ち着いてくると思うので、検討課題とさせていただきたい」とその場を納めたが、猪瀬氏の追及に、東電は「ウソ」を重ねた。
東電病院について、東電は「(経営改革の方向性を示した総合特別事業計画では)継続保有することになってはいますが、今後のあり方については引き続き検討していきます」と説明。「売らない」ことが決まっているわけではない、と株主総会でウソまでついた答弁からは、さすがにトーンダウンしたようだ。