「脱法レバ刺し」提供する飲食店も 「食べた人の責任」それでいいのか

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   2012年7月1日から、牛の肝臓(レバー)を生食用として販売、提供することが禁止となったが、「抜け道」を利用して生レバーを販売する飲食店があるらしい。

   「今までと同じレバ刺しを『レバー』として出す。コンロも置くけど焼く焼かないは自由」という理屈だ。これでは禁止にした意味がないが、「脱法レバ刺し」は一定数需要があるようなのだ。

「焼いてって注意したから生で食べようが客の勝手」

そこまでして食べたいか(画像はイメージ)
そこまでして食べたいか(画像はイメージ)

   6月26日、ツイッターで「脱法レバ刺しきたーー!!」という文章とともに、ある韓国料理店の張り紙の画像が投稿された。張り紙には、

「巷では7月からレバー刺しの提供について騒がれておりますが、●●(店名)は従来の『鮮度、肉質、盛り付け』と全く変わる事無く、これからもご提供し続けます!!ただ、7月以降はテーブル上で焼いてお召し上がり頂けるようにコンロを設置させて頂きます。また、メニュー名が『レバー刺し』から『レバー』に生まれ変わります」

と書かれている。

   この投稿は7月3日現在4300以上リツイートされ、話題になっている。「レバーを焼くって建前があれば、後は個人の責任で法律に引っかからないってことか、グレーw」「『焼いて食べてねって注意したから生で食べようがあとは客側の勝手』って論理!渋谷の道玄坂の『売る際に買った客には吸うなって注意した』って言い訳で逮捕された脱法ハーブ屋と全く同じですやん」と批判的なツイートも見られるが、「よーし!よーし!焼肉店の皆さま今後はこれで!」「どこかの店が摘発されるまでの繋ぎだとは思いますが、延命出来そうですね!」など、「脱法レバ刺し」に期待する声も多い。

「焼くも焼かぬも客の自由」は通用しない

   そもそも牛の生レバーの販売、提供が禁止された背景には、牛の肝臓の内部から少数の菌でも重篤な病気を引き起こす腸管出血性大腸菌が検出されていて、実際に生レバーが原因の食中毒が起こっているということがある。禁止される7月1日を前に駆け込みで生レバーを食べた家族4人が食中毒症状を訴えたという報道もあった。

   しかしツイッターでは1日以降も、「レバ刺し喰ったったwwww」「レバ刺し禁止なのにサラッと出てきたw」などの報告が多く見られる。法の抜け道を見つけてレバ刺しを提供している飲食店は少なくないらしい。

   一方、都内のある和食店では、客席で焼いて食べる牛のレバーを提供している。禁止以前に販売していたレバ刺しと同様の厳しい衛生管理をしているが、客には必ず火を通すように伝え、もし生で食べようとする人がいたら止めると話していた。飲食店の間でも意識の差があるようだ。

   厚生労働省の基準審査課に問い合わせたところ、「牛の生レバーは食中毒のリスクがあるから加熱して提供すること、もし生で食べる人がいたら注意をすること」と定めているので、それを順守していない飲食店は指導の対象になるという。「コンロは設置したから、焼くも焼かぬも客の自由」という言い訳は通用しなさそうだ。

   なお豚の生レバーの提供は禁止されていないので、「レバ刺し」と称し、そちらを出している店もある。

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