「焼くも焼かぬも客の自由」は通用しない
そもそも牛の生レバーの販売、提供が禁止された背景には、牛の肝臓の内部から少数の菌でも重篤な病気を引き起こす腸管出血性大腸菌が検出されていて、実際に生レバーが原因の食中毒が起こっているということがある。禁止される7月1日を前に駆け込みで生レバーを食べた家族4人が食中毒症状を訴えたという報道もあった。
しかしツイッターでは1日以降も、「レバ刺し喰ったったwwww」「レバ刺し禁止なのにサラッと出てきたw」などの報告が多く見られる。法の抜け道を見つけてレバ刺しを提供している飲食店は少なくないらしい。
一方、都内のある和食店では、客席で焼いて食べる牛のレバーを提供している。禁止以前に販売していたレバ刺しと同様の厳しい衛生管理をしているが、客には必ず火を通すように伝え、もし生で食べようとする人がいたら止めると話していた。飲食店の間でも意識の差があるようだ。
厚生労働省の基準審査課に問い合わせたところ、「牛の生レバーは食中毒のリスクがあるから加熱して提供すること、もし生で食べる人がいたら注意をすること」と定めているので、それを順守していない飲食店は指導の対象になるという。「コンロは設置したから、焼くも焼かぬも客の自由」という言い訳は通用しなさそうだ。
なお豚の生レバーの提供は禁止されていないので、「レバ刺し」と称し、そちらを出している店もある。