上祐氏、「反原発デモ」の本気度を疑う 「サリン」のたとえ話に理解と批判

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「犯罪者がほざくな」も「悔しいが正しい」

   もちろん、サリンを撒いて多数の犠牲を出したせい惨なテロ事件が肯定されるわけはない。上祐氏の発言も、オウムを正当化し、世の中を変えるためにテロ行為を推奨するためとは違う。この続きで上祐氏は、どうすれば政治や国が変われるかという話を聞いても「本当に変わりたいのか」と疑念を抱かざるを得ないとしたうえで、「誰かに委ねて楽に変わりたいということならば、それはオウムのように危険だなと」とまとめている。

   ツイッターでも、ユーザーからの質問に対して「あの下りの主旨は、楽して安直に世の中を変えようとして、誰かに頼ると、オウムみたいになるという過去の教訓を表現したものです」と発言内容の意図を説明した。

   オウム元幹部の口から出た刺激的な表現にネット上では、「またテロをする気か」「犯罪者がほざくな」と手厳しい批判が続出した。ただしデモに関する主張は、「説得力がある」「悔しいが正しい」「確かに心の底から原発再稼働に反対しているのはごくわずかだと思う」と理解を示す意見もあった。

   とはいえ、発言自体が「正論」と受け止められても、当の本人に対しては今も「テロリスト」「反社会勢力」のレッテルが消えない。上祐氏は、地下鉄サリン事件が起きた当時は教団の「ロシア支部」に派遣されており、直接テロに関与していない。麻原死刑囚や実行犯のように極刑が下されなかったのも、そのためだ。だが、6月17日に放送された「たかじんのそこまで言って委員会」(読売テレビ)にゲスト出演すると、地下鉄サリン以後に帰国して「外報部長」に就任し、マスコミに向けて教団のかかわりを否定し続けていた際にも「やったことは間違いないと思っていた」と発言した。坂本弁護士一家殺害事件についても、「教祖から関与をほのめかされた」と、やはりオウムの犯罪を認識していたことを明かした。続けて「当時は教祖の麻原(死刑囚)を盲信していた」と弁解、積極的に教団を告発する側に回ることはなかった。

   これにはパネラーで参加していた報道カメラマンの宮嶋茂樹氏が激怒した。上祐氏に向かって「あなたは、(坂本弁護士を)必死に探す母親を嘲笑し、罵倒し、宗教弾圧だと言い続けた。それを『マインドコントロールされていたから』のひと言で片づけるのは許しがたい」と怒りをぶつけていた。

   公安調査庁によると、上祐氏が設立した「ひかりの輪」や「アレフ」の入信者は現在約1500人という。特に「アレフ」は「麻原回帰」がささやかれる。上祐氏は、かつて自身が神秘体験を通じてオウムにはまりこんでいった経験から、安易に「麻原信仰」に走ろうとする若者に向けて「神秘体験は解脱ではない」と警鐘を鳴らした。

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