日ハムは過去にも「ファン投票」で騒ぎを経験
実は1978年にも、日本ハムの選手が8人選ばれている。このとき、日本ハムが何をしたかというと、2選手を出場辞退させてしまった。「組織票だ」と騒ぎが大きくなり、球団はイメージダウンを恐れたための措置といわれたものだ。
「日本ハムは食品会社。消費者の抵抗を気にしていたことは事実。おかしな投票と認めてしまったようなものでした」。当時をよく知る関係者の回顧談だ。
日本ハムはファン投票でこんな経験もしている。1980年、パは3人の外国人選手が1位になった。当時、「外国人枠は2人」と決まっており、得票数の少なかった日本ハムの一塁手トニー・ソレイタの出場が消えた。どこがファン投票だ、と怒りの声が上がった措置だった。
今回の投票で浮き彫りになったのは、日本ハム以外のファンの行動である。野球は見るが、投票は別物ということなのだろうか。やはりプロ野球の人気低迷を表しているのだろう。スター選手がそろう球宴も魅力がなくなったと思うと寂しい限りである。
(敬称略 スポーツジャーナリスト・菅谷 齊)