衆院の過半数が「1年生」議員 小沢新党が選挙に勝てない事情

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   消費増税法案の衆院採決で57人という大量の造反者を出した民主党で、実際に離党届の提出に踏み切った衆院議員は38人だった。参院からも12人から離党届が提出されており、この50人で、近日中に「小沢新党」が立ち上がるものとみられる。

   だが、そのメンバーを見ると、多くが「1年生議員」で、それも比例区からの当選が少なくない。解散総選挙後は大幅に議席を減らす可能性もあり、新党が立ちゆかなくなる可能性もある。

離党メンバー発表直後に2人も「脱落」

   離党届を提出したのは、小沢一郎元代表に近いグループ幹部の山岡賢次衆院議員。内訳は衆院40人、参院12人の計52人だった。週末には「離党者は20人程度にとどまるのでは」といった観測もあったが、それよりは、かなり多かったことになる。

   だが、その直後にグループのメンバーが一枚岩でないことが露見した。山岡議員が発表した離党者リストの中に名前があった階猛、辻恵両衆院議員がそれぞれ記者会見を開いて「まだ最終決断していない」などと離党を否定し、リストは52人から50人に訂正された。

   なお、消費増税法案に反対票を投じたにも関わらず離党届を提出しなかったのは、鳩山由紀夫議員元首相、川内博史議員、山田正彦元農水相、福田衣里子議員など17人。

「新党」衆院議員38人中13人が「比例当選1年生」

   50人についても、前途は多難だ。その多くが、09年の「政権交代」の追い風を受けた衆院総選挙で初当選を果たした議員だからだ。離党届を提出した衆院議員38人のうち、実に25人が「初当選組」だ。割合にして、実に65.8%。過半数が「選挙慣れ」していない政党だとも言える。

   さらに言えば、この25人のうち、13人が比例区から当選しており、小選挙区で落選した末に比例で復活当選を果たした人も多い。言わば、選挙区での活動が評価されたというよりも、政党のネームバリューや政党への期待感を背景に当選を果たしたとも言える。

   だが、政党への期待度は、09年の政権交代の時とは大きく違う。例えば共同通信社が6月26日から27日にかけて行った全国世論調査では、造反行動について「理解できない」と答えた人が全体の59.8%にのぼり、新党結成に関しても「期待しない」との回答が79.9%と、圧倒的な多数を占めている。共同以外の報道各社の世論調査でも、同様の結果だ。

   このまま総選挙に突入した場合、民主党が議席数を大幅に減らすのは確実だ。「反増税」「反原発」といった分かりやすいスローガンを掲げるとみられる小沢新党も、どの程度の支持を得られるかは未知数だ。

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