禁煙は「国が強制」するものなのか 「10年後の喫煙数値目標」で是非論争

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JTは「慎重姿勢」

   曲がりなりにも目標値を盛り込んだことに、日本医学会などは「がんの年間死亡者は約35万人で4分の1は喫煙によるものとされる」などとして、基本計画を「高く評価する」と全面的に支持。「目標は低すぎるし、遅すぎる」と手厳しいNPO法人日本禁煙学会も「自民党時代は族議員がいてなかなかできなかった。目標はないよりはまし。この点は政権交代した意味がある」(作田学理事長=6月8日「毎日新聞」電子版)と評価している。

   一方、JTは「がん等、喫煙と関連があるとされる諸疾病の発生には、住環境(大気汚染等)、食生活、運動量、ストレス等、様々な要因が影響しており、今後更なる研究が必要であるものの、喫煙は特定の疾病のリスクファクターであると考えています」(3月9日「「がん対策推進基本計画(変更案)」に対する意見」)などと「たばことがん」の因果関係に慎重姿勢を強調している。

   基本計画が「喫煙に関する個々人の選択への介入や厳格な分煙措置の規制等につながることがないよう強く求めてまいります」(6月8日「がん対策推進基本計画(変更案)の閣議決定について」)と徹底抗戦を宣言している。

   数値目標は決まったが、禁煙「強制」の是非論争、簡単に収まりそうもない。

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