若者や運動部の学生、現役のスポーツ選手ならOK
日ごろ運動不足な「お父さん世代」にとっては、高カロリーの食事をとり続けることは健康上よいとはいえない。しかし10~20代の若者や運動部の学生、現役のスポーツ選手となれば事情が違ってくる。
食が細い悩みを抱えるアスリートにとっては、ラーメン二郎が「有効」に働くかもしれない。たんぱく質には1グラムあたりのエネルギー量が4kcalだが、脂肪なら同9kcalと2倍以上だ。あまり量を食べられない人にとっては「手っ取り早くエネルギーを補給できます」と笠岡准教授は話す。確かにご飯や肉を摂取した方が理想的であり、動物性脂肪ばかりでは栄養の観点からは好ましくない。だが例えば、激しいけいこで疲弊したうえ食事も満足にとれないような若手力士にとって、「食べるのも仕事」である以上何らかの方法でエネルギーを確保しなければならない。「お勧め」とは言えないが、まずカロリーを満たして体を維持し、その後で栄養の質を追求するというのも選択肢となりそうだ。
一般的な暮らしをしている人で「どうしてもラーメン二郎を食べたい」と望むなら、栄養学的には朝食として摂取するのがよい、と笠岡准教授。1日の活動が始まる時点であれば、エネルギーを消費する機会は多い。一方で1日の摂取カロリーの観点から、1日2食にして1食をラーメン二郎に当てるという考えは「食事の回数を減らすと、体内に脂肪として蓄積しやすくなる」ため、健康寿命を考えるとやめた方がよさそうだ。
30、40代と年齢を重ねていくにつれて「基礎代謝」が落ちていき、1日に使うエネルギーも減っていく。1日の活動量がよほど多くない限り、ラーメン二郎を毎日のように食べていてはカロリー過多になるのは目に見えている。食べるのは本人の自由だが、健康維持には注意が必要といえそうだ。