社内SNSの運用を中止した企業もある
一方で、社内SNSでは、社員同士の誹謗・中傷などトラブルが起きる懸念も指摘されている。ツイッターでは、問題あるつぶやきをするユーザーが見つけられて物議を醸すことがあるが、同様なケースが社内SNSでも出てきた。
日立製作所では、ある男性社員が好きなアイドルグループ「AKB48」をヒントに業務上のアイデアを出したが、曲の歌詞をSNSに書き込んでしまった。それを著作権の問題から上司が注意したところ、勝手に書き込みをのぞき見たとしてトラブルになり、男性社員がこのことをネット上に書き込む事態にまでなってしまった。
SNS書き込みについて、日立の広報担当者は、基本的に社内のイントラネットを使っていることから、運用している部門でチェックしていると明かす。著作権に問題ある書き込みなどをしないよう、ルールを定めて社員に呼びかけており、見つかれば注意喚起するとした。問題発生を予防する仕組みになっていることから、これまで大きな問題は生じていないという。
男性社員とのトラブルについては、「個人情報になりますので、回答は差し控えさせて下さい」としている。
トヨタ自動車の広報部では、社内SNSで誹謗・中傷などによるトラブルは聞いていないとしたが、「いろいろな問題が起きることを考慮し、議論しながらシステムを試行しています」と言っている。
とはいえ、期待した効果が上がらず、社内SNSの運用を中止した企業もあるようだ。その背景に、誹謗・中傷の書き込みなどがあった可能性も指摘されている。社内SNSが今後も成長を続けるかどうかは、こうしたネックをどう克服するかにもかかっているようだ。