メール代わりに、社内SNSを業務連絡などのコミュニケーションに使う企業が増えている。一方で、会社の書き込み監視などを巡って、トラブルとなるケースも出てきた。
「業務上の書き込みに対しては、レスポンスがいいんですよ。『こういう製品の情報ありませんか』と書き込んで、解決に結びつくこともあります」
日立やトヨタも業務連絡に活用
社内SNS「こもれび」を2008年1月から導入している日立製作所では、広報担当者がこう話す。Q&Aについては、「応えて、こもれびー」というコーナーを設けてやり取りしている。
SNSは、社員のプライベートな情報交換にも使われている。例えば、共通の趣味を持つ社員同士によるコミュニティだ。転勤が決まって、ある社員が「地域の情報を教えて下さい」と書き込み、コミュニティのメンバーから情報を得るようなやり取りも行われているそうだ。
サービス開始当初は、登録ユーザーはわずかだったが、月々100人単位で増えていった。そして、現在は全世界の従業員32万人中のユーザー数が2万人にも達し、1日の書き込み数も平均3000件ほどにまでなっている。サービスについて、広報担当者は、「一般のSNSでは答えが返ってこない場合でも使えますし、グループ企業同士の交流が活性化され、うまく機能していると考えています」と話す。今後もサービスを継続し、さらにユーザー数を増やしていきたいという。
ほかの企業では、トヨタ自動車も、日本を含め世界50か国にまたがって社内SNSを運用している。12年2月には、米IT企業のシステムを導入し、この時点でユーザー数は販売・マーケティング部門8000人余に達した。営業や販売などの情報交換を通じて、業務効率を高めるのに役立っているそうだ。