橋下徹市長の音頭で決まった大阪市の公募区長が、霊感商法に関わっているとされる統一教会と関係していたと、一部で報じられた。大阪維新の会率いる橋下氏は、国政進出に再び意欲を示したようだが、悪影響はないのか。
公募区長24人が2012年6月21日に決まった直後、浪速区長に選ばれた経営コンサルタントの玉置賢司氏(45)に「不適切発言」が発覚した。「菅直人は正直殴ったらなあかん」などとツイートして謝罪に追い込まれたのだ。そして、また、問題になりかねない公募区長が現れた。
紀藤正樹弁護士「衝撃の事実」
それは、住吉区長に決まったコンサルティング会社代表の吉田康人氏(47)だ。吉田氏は、07年に大阪府高槻市長選に出馬した際、統一教会の信者ではないのに誹謗・中傷を受けたと対立陣営に警告していた。とはいえ、過去に、統一教会関係団体の講演会などに講師や来賓、聴衆として参加していたことは認めた。また、教会関係者数人に選挙活動などを手伝ってもらっていたともした。そのうえで、これらは、信者でなくても、政治家が一般的に行っていることだと説明していた。
自らのブログでも、こうした統一教会との関係について書き込んでいる。これに対し、赤旗は、吉田氏が住吉区長に決まったことを受け、12年6月28日付記事で「区長が統一協会と関係」と報じた。さらに、週刊文春もこの日の発売号で、吉田氏が教会との関係をブログに書き込んでいたと指摘する記事を出した。
区長ともなれば、消費者対策として、霊感商法などの悪質商法に毅然とした対応をしなければならない。ネット上では、「参加してるだけだから無罪」との声もあったものの、「何を基準に選んでんの?」といった疑問が相次いだ。霊感商法の被害救済活動をしている紀藤正樹弁護士は、この日のツイッターで「衝撃の事実」として、「住吉区民、ひいては大阪市民が可哀そう。人柄が事前にわからない公募制度の欠陥が浮き上がってきた」と懸念を示した。