国際ハッカー集団「アノニマス」によるとみられる、日本政府関係サイトへのサイバー攻撃が相次いでいる。他のサイバー攻撃を異なるのが、「アノニマス」が公式ツイッターアカウントを開設し、攻撃の狙いを明確に主張していることだ。中には、「誤爆ごめんな」といった、くだけた表現も多く、注目度が上昇している。
財務省、最高裁判所、自民党、民主党などが攻撃受ける
「アノニマス」の日本向けのツイッターアカウント(@op_japan)は2012年6月25日に開設。
「この頃、ウェブサイトの攻撃がしていました。日本の政府がダウンロードを犯罪にしましたから、我々は行動しています。この出来事から、みんなを目覚めさせたい」
と、若干たどたどしい日本語で犯行声明をツイートした。「アノニマス」によるサイバー攻撃は、違法ダウンロードに対し刑事罰を盛り込む改正著作権法が成立したことに抗議する狙いがあるとみられるが、このことを改めて表明した形だ。
「違法ダウンロード刑事罰を止めさせる方法は一つだけあります! 現実の世界で、日本の人々は抗議するべきです! サイト攻撃ではなくデモで! チラシで! 座り込み抗議でも! 何もしないなら、何もが変わらない! 今すぐインターネットを保護しないと、すべてを失う!」
とも訴えた。
翌6月26日から27日にかけて実際に攻撃が行われた模様で、財務省、最高裁判所、自民党、民主党のサイトなどが相次いでつながりにくくなったり、書き換えられたりした。27日夜には、
「昨日は忙しいだった。でもちょっとミスしました。誤爆ごめんな(笑) やっぱり日本語は難しい。でもみんなは優しい。ミスの説明を言いました。 ありがとう。頑張ります」
とツイート。ここで言う「誤爆」とは、著作権の議論とは関係ない関東地方整備局霞ヶ浦河川事務所が攻撃を受けたことを指すとみられ、「霞ヶ関」と「霞ヶ浦」と取り違えた可能性がある。
また、ネット上で「自民党も誤爆された」と指摘されている点については、
「ただ、自民党と民主党はミスではなかった。彼らは違法ダウンロードを支持して投票をしたから、お仕置きされた」
と反論した。意外な言葉遣いに、ネット上では「萌え系」と評する声もあり、アノニマスのサイバー攻撃や「誤爆」については、
「問題ない」
「気にするな」
「日本のために戦ってくれてありがとう」
などと好意的な声の方が多いようだ。