消費者庁は、東京電力の家庭向け電気の値上げ申請を消費者の立場から検証する点検項目をまとめ、過去に公的資金を受け入れた企業の事例を踏まえて、30%以上の人件費の削減を求めた。2012年6月27日に開催した点検項目を検討する有識者会議でまとめた。
人員削減や競争入札拡大も、東電の申請内容より踏み込んだ対応が必要として、値上げ幅の圧縮を求める。
点検項目は、福島第一・第二原子力発電所関係費などの分野ごとに合計で40項目以上になる見通しで、人件費や調達費もこれらに含まれる。経費削減の検証では、具体的な数値基準を設けた。福利厚生費では東電が60%で申請した健康保険料の事業主負担について、法定の50%に下げたか点検するとした。また、委員からは「東電の総合特別事業計画を上回る人員削減ができているかを精査すべきだ」との指摘もあった。
点検項目は、28日に開く経済産業省の電気料金審査専門委員会に示す。値上げの認可をめぐっては、経産省の専門委が査定方針をまとめた後に、経産相と消費者担当相が共同で関係閣僚会議にかける。最終的な値上げ認可は経産相の権限だが、閣僚会議にかける前に消費者庁との調整が必要になる。