「国民的アイドル」だとされるAKB48のファンが逮捕される事件が相次いでいる。握手券を使った詐欺だけでなく、生写真を巡っての強盗事件まで発生。いずれも高校生などの若いファンによる犯行だった。
2012年6月25日までに、AKBの握手券を売るといって現金をだまし取ったとして警視庁は横浜市のアルバイトの少年(16)を逮捕した。
mixiで写真公開、スタッフに通報され御用
これまでの報道をまとめると、この少年は3月下旬、SNS「mixi」の掲示板に「握手券を買いたい」などと書き込んでいた会津若松市の女子高生に、「握手券を提供できます」などと返信。実際には握手券を持っていないのに、39枚分の代金として現金3万6000円を振り込ませた。
少年はmixiで自分の顔写真を公開していた。女子高生は知人を通じて少年のメールアドレスを入手。知人を装ってメールを交換し、少年が4月に東京ビッグサイトで行われた握手会に参加することを突き止めた。当日、5万人の中から「推しメン」の名前の大きく入った特攻服を着ていた少年を見つけ出し、スタッフに通報した。
少年もAKBのファンだったといい、HKT48の指原莉乃さんと16回、SKE48の木崎ゆりあさんとは100回も握手していた。特攻服などの衣装代や握手券付きCDのために同様の詐欺をこれまで6~7回やったといい、調べに対しは「自分からAKBをとると、何をしていいか分からなくなるので、ファンは続ける」と語ったという。
「若者はおじさんのアイドルファンから学ぶべき」
そして、今度は「生写真強盗」事件だ。警視庁は6月25日までに、預けていたAKBメンバーの生写真500枚を取り戻すために男子専門学校生を暴行したとして、元大学生の男(20)ら3人を強盗致傷容疑で逮捕した。
男は小嶋陽菜さんのファンで、専門学校生が持っていた小嶋さんのレア生写真と、他のメンバー500枚の生写真ファイルを交換。しかし後になってファイルが惜しくなり、4月、握手会の行われた東京ビッグサイトで専門学校生をトイレに連れ込み、仲間の2人と暴行を加えて強奪したとみられる。仲間の一人、17歳の私立高校生は「反省しているが、今後もAKBの応援は続ける」と供述しているという。
AKBファンが立て続けに逮捕されたことは2ちゃんねるなどでも話題になり、「握手会なのに首しめてどーすんの」「AKBのファンって、こんな馬鹿ばかっかだね」というものや「こじはるは強盗させるほど魅力的なんだよ」「ハロプロはおっさんが主力なので金には困らない」といった声が挙がった。
数々のグループを取材してきたアイドル業界関係者も「他のグループでも犯罪行為というのは余り聞いたことがない」と語る。AKBは他のグループよりも規模が大きく、ファンの数も桁違いに多いので、中には困ったファンも出てくる、とする。
その一方で、「逮捕されたのは高校生とかですよね。 AKBは他のグループと比較して10~20代の若い層に人気なので、何も考えないで衝動的に行動するファンも多くなる」と指摘。若いAKBファンについて「もっとAKB以外の色んなグループの現場に行くべき。そこで、年季の入ったおじさんのアイドルファンと交流して、現場での動き方とか、アイドルの大人の楽しみ方というものを学べばいいのでは」と話していた。