消費増税を柱とする社会保障と税の一体改革関連法案が衆院本会議を民主・自民・公明の賛成多数で通過したことを受け、野田佳彦首相は2012年6月26日夕方、首相官邸で会見した。野田首相は税率の引き上げの意義について強調した上で、民主党から57人が反対票を投じた大量造反の問題では、マイクの音が割れ気味になるほどの強い調子で「厳正に対応する」と明言した。
景気弾力条項を「受身な姿勢」と一蹴
野田首相は、
「子育て世代が疲弊をしながら、今の社会保障を支えることは限界がある」
などとして安定財源を確保するための消費税率引き上げの意義を強調。その上で、「景気が悪いうちは消費税は上げない」といった、いわゆる景気弾力条項を取り入れる考え方を「受身な姿勢」と一蹴した。税率引き上げについては、
「無駄をなくしてからやるべき」
「『身を切る改革』の後にやるべき」
といった議論については、
「これらのことをやってから一体改革というのでは、待ったなしの状況に対応できない。一体改革もやる、経済の再生もやる、行革も政治改革もやる。ありとあらゆることを2014年4月に、消費税を8%に引き上げるときまでにやりぬかなければならないと思う」
「『何かをやってから、後に』。この理屈で、今までずっと延ばしてきたのではないか」
と、声を張り上げた。