「反王子」で提携の恩返し
ちなみに、北越紀州が大王株を買収するのは、過去の経緯も反映した。2006年に北越製紙(当時)が王子製紙から敵対的TOB(株式公開買い付け)をふっかけられた時、大王が北越と2~3%ずつ株式を持ち合う資本提携を結んで「反王子」の立場で支援。今回の創業家株買い取りはその"恩返し"の意味合いもある。
大王の内紛収束を含めた今回の北越紀州による大王株買収は、新たな再編を呼ぶ可能性もある。製紙業界では需要低迷などから1990年代以降に再編劇が相次ぎ、王子と日本の上位2社は計旧6社を統合している。業界内ではレンゴーや三菱製紙などの準大手的なポジションの企業が再編対象として取りざたされている。これらの花嫁候補をめぐり、2006年の「王子による北越TOB」のような荒っぽい争奪戦が再び展開される可能性を指摘する向きもある。