食料品と同様に新聞を特別扱いせよ! 主要紙が議員と手組み、消費税軽減要求

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10代の新聞閲覧時間は1日10分未満

   碓井教授は、そもそも新聞は「社会の木鐸」として権力を監視する立場にあるはずなのに、議員と手を組んで「新聞の税率を上げるな」と主張している点を疑問視する。ネット上の意見を見ると、「新聞は消費増税に同調しているようだ」との見方をする人も少なくなく、「自分たちだけは軽減税率を求めるなんて」と呆れる声もちらほら聞かれる。

   例えば毎日新聞は2012年6月10日の朝刊で、「軽減税率の導入に動け」との社説を掲載した。低所得者ほど相対的に負担が重くなる消費税の逆進性を取り上げ、その緩和策として軽減税率の有効性を説明しているものだ。食料品や水道水と並んで「知識課税を避ける」欧州の事例をわざわざ取り上げ、新聞や書籍がどのような税率になっているかをつづっている。読売新聞も5月19日付朝刊社説で、軽減税率を「低所得対策の有力な選択肢だ」と紹介。文章中、生活必需品のコメや生鮮食品と並んで「活字文化を担う新聞、書籍」などに対象を絞り込めば「政府が懸念する税収の大幅な落ち込みにはならないのではないか」と主張した。

   だが新聞が今日でも、水やコメのように人々の生活に欠かせないものと言えるかどうかは微妙だろう。碓井教授が教える学生で紙の新聞を読んでいる割合は、「壊滅的」と言えるほど少ないという。「今の若い世代は、中身が優れていれば多少高額でも購入するもの。新聞を購読していないのは、お金を払ってまで読む必要がないと考えているからでしょう」

   博報堂DYメディアパートナーズメディア環境研究所が2012年6月13日に公表した「メディア定点調査2012」を見ると、東京地区におけるテレビ、ラジオ、新聞、雑誌、パソコンや携帯電話からのインターネット接続を合わせた1日のメディア接触時間の合計は、2008年と比べて2012年は32.1分増えているが、新聞の閲覧時間は28.5分から24分と逆に減少した。特に15~19歳は、男性が8.9分、女性4.9分と10分を切っている。働き盛りの30~39歳でも男性16.5分、女性14.1分と低迷していた。

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