安全性は大丈夫なのか
コストを徹底的に削減することで実現する「低価格」が、LCCにとっては最大の売りだ。ユーザーにアピールする最大の武器である運賃で他社より見劣りすれば影響は大きく、「後出しじゃんけんのように、他社が発表する運賃が自社より低ければ、さらに引き下げを検討せざるを得ない状況」(関係者)になっている。
航空機の国内線運賃は2000年の航空法改正で認可制から届け出制に緩和され、自由化された。航空会社が自身で決めた運賃を国に申請すれば、その日のうちに承認されることもある。そんな自由な競争環境がLCC台頭を招き、激しい価格競争にもつながっている。
ただ、「LCCが運賃を下げれば下げるほど、『安全性は大丈夫なのか?』という不安も増している」(関係者)との声もある。そもそも航空の安全基準は大手もLCCも同じで、LCCが安全面で劣る事実はないが、「安全性のアピールもLCCにとってはいっそう重要な任務になっている」(関係者)との指摘も強まっている。