映画「ハリー・ポッター」シリーズで知られるイギリス人俳優ダニエル・ラドクリフさん(22)が、難病の「群発頭痛」を患っていると告白して話題だ。
「自殺頭痛」。ラドクリフさんが患ったのは、こう呼ばれて恐れられているようだ。
2ちゃんの「超激痛体験談」が話題に
その難病を告白したのは、英インデペンデント紙のインタビューでだ。報道によると、ラドクリフさんは2012年の初めごろ、突然激しい頭痛に襲われた。それは偏頭痛の比ではなく、目をえぐられるような感覚だったという。
1日に12錠も頭痛薬を飲むほどの痛みで、とうとう仕事をキャンセルせざるをえなくなったと明かした。
群発頭痛については、日本でも患者が報告されており、ネット上で、時々話題になっている。これを患ったとして2ちゃんねるに08年9月1日に書き込まれた男性の「体験談」は凄まじい。
この男性は、4年前の夜中に突然、左目の眼球の奥とこめかみに激痛を感じた。飛び起きて頭を抱えていると、実際は涙だったのに、左目から血がボタボタ流れてくる感覚に陥る。
5分後に、それを上回る「超激痛」が襲った。頭をかきむしり、白目を剥いで、駆けつけた家族に「殺してくれ!」。そして、2階から衝動的に飛び降り、全治2か月半の重傷を負ってしまったという。
病院で「群発頭痛」と診断され、その後は、1度で最大1~2時間も強烈な頭痛に悩まされることになった。その恐怖心から、現在まで慢性的な睡眠不足が続いているというのだ。
日本では、1日100人ほども通院
この告白は、どこまで本当か分からないが、耐え難い痛みであることは確からしい。
朝日新聞の2012年4月3日付記事で、大阪市にある富永病院の竹島多賀夫頭痛センター長が「左右どちらかの目の奥がナイフでえぐられるような痛み」と解説している。
それによると、数か月続く群発期には、1回1~2時間の痛みが毎日1~2回起きることが多い。お産や尿路結石よりも痛いとの声があり、若い男性に多く、最近は女性にも増えているという。原因はまだ解明されておらず、治療薬の自己注射や純酸素吸入などで治療する。
ほかの記事によると、アルコールなどによっても誘発される可能性があるそうだ。ハリポタ役のラドクリフさんは、一時アルコール依存症になったとも報じられており、群発頭痛と関係していた可能性はあるかもしれない。
厚労省の保健統計室によると、08年の頭痛の推計患者数のうち、群発頭痛症候群だったのは、わずか1%だった。偏頭痛と緊張性頭痛でその大半を占めている。しかし、1日だけで群発頭痛の患者が100人ほども通院していたことが分かったといい、ごくまれな病気だとも言えないようだ。