プロ野球、読売巨人軍の原辰徳監督が、女性問題で元暴力団員に脅され1億円を支払っていた――。週刊文春がこのようなスクープ記事を掲載するという。
巨人軍は先手を打つ形で会見を開き、前巨人軍球団代表の清武英利氏が情報を漏らした疑いも示した。
「プロ野球と関係ある人物」からの電話
週刊文春の発売日前日となる2012年6月20日、巨人軍の桃井恒和社長らが会見で、原監督の記事をめぐって近く同誌を名誉毀損の損害賠償請求訴訟を起こすことを明らかにした。
この日、原監督は談話を発表して詳細を説明した。「1988年ごろ、私はある女性と関係を持ちました」と事実を認めたうえで、「プロ野球と関係ある人物」から2006年8月に電話があり、女性関係をつづった日記の存在を告げられたうえで「表に出ないように私に任せてほしい」と言われたとした。「ゆすられている」と不安になった半面、「私を助けてくれるのだ」とも解釈して「要求された現金」を渡したという。面会したのは、先に接触してきた球界関係者のほかに会社員の男性がいたようだ。
この時点で原監督は球団には知らせていなかった。だが2009年、別の男性から球団に電話があり、「女性問題のことを書いた日記が監督の手に渡ったはずだ。それを返してほしい」と要求されたため、原監督は球団と夫人に打ち明けたと説明している。
1988年は原監督が現役選手として活躍しており、「打率3割・本塁打31本」でベストナインにも選ばれた。一方2006年は監督としてのカムバック1年目だったが、成績は4位と振るわなかった。現役時代で脂の乗っていた時期に起きた「女性問題」、監督として再起を期す最初の年に、過去をネタに接触してきた男性への金銭の支払いと、いずれも認めたことになる。
それでも巨人側が文春を提訴する意思を示したのは、原監督が金銭を支払った相手が反社会勢力に属する人物ではないと主張するためだ。暴力団とのかかわりがあったとなれば、重大な問題となる。読売新聞の報道によると2006年に原監督に接触した男性2人のうち1人は死亡しているが、09年球団に電話をかけてきた人物も含めて全員が暴力団員ではないことを、警察当局から伝えられたという。
一方、週刊文春編集部はJ-CASTニュースの取材に「記事には十分自信を持っている」とコメントした。