連載「呻吟するギリシャ」第3回
ユーロ圏離脱はひとまず回避 それでも誰も楽観していない

富士フイルムが開発した糖の吸収を抑えるサプリが500円+税で

当面は増税、年金削減の「締め付け」を覚悟

投票所の割り当てが示された名簿を確認する有権者。インターネット上でも調べられる(写真提供:Gavriil Xanthopoulos氏)
投票所の割り当てが示された名簿を確認する有権者。インターネット上でも調べられる(写真提供:Gavriil Xanthopoulos氏)
「次にどうなるか誰にも分からない。将来への不安は残ったままです」

   ザンソピュロス氏がこう口にするのは、政権を担うNDがギリシャ危機の原因となった巨額負債の隠ぺいを行った政党だからだ。与党時代にNDは、無駄とも思える大型投資を次々に実行し、債務を増やしていったという。過去のあやまちから何も学ばずに失敗を繰り返せば、当然状況は悪化するはずだ。連立政権に参加する他党からいかに有能な人材を登用し、適切な政策を進められるかがカギとなる。

   NDは、金融支援の代わりに緊縮策の遂行を提示している欧州連合(EU)や国際通貨基金(IMF)に、厳しい条件を緩和するよう交渉する意欲をみせるが、EU側は譲歩に難色を示している。いずれにしても「緊縮派支持」という審判を下した以上、ギリシャ市民は当面、増税や年金削減といった「締め付け」を覚悟しなければならない。

   財政再建への道は厳しく、金融不安は残ったままだ。ひとまず緊縮策を飲んだ市民も、「耐乏生活」の出口が見えない日々が続けば不満が爆発する日がくるかもしれない。不確定要素ばかりの現状では、ザンソピュロス氏のように、市民らが「とても祝っている場合ではない」と考えるのも当然だろう。

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