「死亡事故が続出している若者の飲酒コンパと類似」
この企画に対し12年6月18日、「急性アルコール中毒を招きかねない極めて危険なアルコールの飲み方を肯定し助長する内容」だったとする抗議文が、飲酒事故の遺族らで構成される「イッキ飲み防止連絡協議会」など3団体からフジテレビに寄せられた。
抗議文には番組の問題点として、酒豪を競うという大量飲酒をあおる設定、長時間の飲酒、飲酒を強要・挑発する発言などをあげ、「死亡事故が続出している若者の飲酒コンパと類似するものであり、まさにアルコール・ハラスメントそのもの」と指摘。番組内での謝罪と再発防止への取り組み、その結果の公表を求めている。
抗議の背景には、頻発する大学生の飲酒死亡事故がある。3月に立教大学のテニスサークルの合宿で1年生が吐しゃ物をのどに詰まらせ死亡、5月には小樽商科大学でアメフト部の飲み会に参加した9人が救急搬送され1人が死亡するなど、未成年も含めた死亡事故が後をたたない。大量の飲酒による急性アルコール中毒だけでなく、酔いつぶれた人を別室に寝かせておく状況で吐しゃ物を吸引してしまい死亡する例も多い。「イッキ飲み防止連絡協議会」も、大学生の息子を飲酒事故で亡くした人が設立したものだ。
抗議文には「テレビの映像が視聴者に植えつけるイメージは強烈です。このような危険な飲み会を肯定し、大量飲酒・アルハラを助長する『めちゃイケ酒豪No.1は誰だ!決定戦』に対して、遺族たちが強い怒りと憤りを覚えていることを申し添えます」と書かれている。さらに「貴局において納得できるお返事がいただけない場合は、BPO(放送倫理・番組向上機構)に申し立てる所存です」と強い口調だ。
フジテレビ広報部は、「内容を精査してから対応する」とし、番組内での謝罪の有無などについてはまだ決めていないということだった。