廃炉には多額の費用がかかる
経産省の試算では、純資産額が多い電力会社ほど債務超過を免れることになるが、電力各社の資産は原発に大きく左右されるようだ。
中部電力や中国電力は原発への依存が低いものの、それでも原発は資産の約3割を計上している。関西電力は資産価値が低い古い原発が多いとされるが純資産額の約5割を原発資産が占めている。
北陸電力は純資産額が3197億円にもかかわらず、2基しかない原発が廃炉なれば、3135億円の損失額を計上することになる。純資産額と損失額との差は、わずか62億円と乏しい。
つまり、原発廃炉にした場合、12年3月期決算で計上した純資産額をほぼ失うか、3~5割目減りすることになる。
しかも、経産省の見積りには使用済み核燃料の保管費用や再処理費用を加算していない。廃炉にはもっと多額の費用がかかるということだ。