EUの金融支援「末端の人まで行き渡らない」
Aさんの父はアテネ中心部のシンタグマ広場の近くに住む。帰省の際、父を訪ねるため広場の付近を歩いていると、100~150メートル間隔で武装した警官が警護している様子が目立ち、こう感じた。「暴動が鎮圧されたあとなのに何だろうか」。この広場は、ギリシャ市民が反政府デモを繰り広げた場所としても知られるからだ。物騒な目にあったわけではないが、通りは落書きにあふれるなど以前とは違う姿に見えた。
「どの政党も、汚職や親族のコネにまみれている」と政治に落胆しているAさんだけに、6月17日の再選挙にもあまり期待がもてないようだ。一方で気になるのが、極右政党の台頭だという。経済が危機的状況に陥った国に極端なナショナリズムがわきおこった例は、歴史的に何度もある。
続々と銀行に詰めかけ、預金を下ろす市民。海外に職を求める若者たち。期待できない政治と、ギリシャ復活の道は険しい。Aさんは「いっそユーロ圏を離脱した方がいいのでは」と大胆な意見を口にした。「現状のまま追加の金融支援を受けても、末端の人たちまで恩恵が行き渡るとは思えないのです」。