牛丼「値引き合戦」収束か 消費者の「慣れ」で効果薄れる

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「松屋」「すき家」は商品ラインナップで攻勢

   「松屋」は2012年1月に「牛めし」の定価を40円引き下げて、280円(並盛)にした。最安値だった「すき家」に対抗して、同じ価格に設定した。

   そうした中で5月の売上高は既存店ベースで、前年同期比6.3%減。客数は10.3%減。客単価は4.5%増えたが、表情はさえない。「1年前、とくに上半期は値下げキャンペーンもあって好調だったので、前年の反動減が大きい」ことはあるが、値引き合戦の盛り上がりが収まってきて、効果が薄れている。

   とはいえ、売上高の落ち込みを、他社が2ケタ減のところを6.3%減に踏ん張ったのは、新商品の投入が功を奏したからだ。5月には「豚しゃぶ丼」や「お好み豚しゃぶ定食」を新発売。夏らしい、さっぱりしたメニューで、カウンターに置いてあるタレを好みでかけて食べられるスタイルがウケた。「地道に新商品を投入しながらファンを増やす」作戦だ。

   もう一方の「すき家」の5月の売上高は10.8%減。客数は12.1%減、客単価は1.5%増だった(既存店ベース)。ゼンショーHDによると、「昨年は東日本大震災の影響もあってイレギュラーと考えています。その中にあって昨年の売上げは値下げセールでの伸びもあるので、顕著に推移しているのと同じと考えています」と話している。

   しかし、既存店ベースの売上高は11年9月から9か月連続して前年割れの状況だ。

   牛丼の値下げ競争について同社は、「現在はまだ検討中です」と話す。値引き効果が薄れてきたといった見方もあるが、「消費者ニーズと商品ラインアップ、販促活動とを考慮しながら、その時その時で判断していく」と説明している。

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