W杯南ア大会ではイエロー9枚、レッド1枚
都並氏によると、国際サッカー連盟(FIFA)の通達で、ペナルティーエリア内で相手選手に手をかけて邪魔するプレーは最も厳しく判定しようとなっている。「帳尻合わせ」を考えていたところに内田選手のプレーを目にして、「これだ」とばかりにイエローカードを出した――。本当にこんな「シナリオ」だったかは不明だが、日本側にとっては納得できない反則裁定となった。
では終了間際、本田選手のフリーキック直前での笛は何だったのか。都並氏によると審判は、試合を円滑に動かしているかをサッカー協会に査定されているが、この日は大量6枚のイエローカード、退場者2人と「大荒れ」だった。両チームの「バランス」を考えて、このまま引き分けに終わった方が穏便に収まると考えて、突然の笛になったのではないかと推測した。確かにロスタイムも含めて時間は過ぎており、規定上、審判が終了と判断して問題ない。
とはいえタイミングの悪さは否めない。このガムディ主審、イエローカードを連発する審判のようだ。2010年のW杯南アフリカ大会チリ―スイス戦でイエロー9枚にレッド1枚を、またフランス―メキシコ戦ではイエロー6枚を、それぞれ出している。2011年のアジア杯準決勝の日韓戦でもイエロー6枚が飛び交った。
都並氏は、今回の日豪戦のように主審が唐突に笛を吹いて試合を終わらせたケースを「3回ほど見た」と言っていた。具体的にどのゲームかは明かさなかったが、過去のW杯でも驚くような結末を迎えた試合があった、1978年のアルゼンチン大会、ブラジル―スウェーデン戦で後半45分過ぎ、ブラジルのコーナーキックからひとりの選手がヘディングでゴールネットを揺らしたのだが、ゴール直前に主審が試合終了を宣告、得点が認められず試合は「強制終了」された。このときに「幻のゴール」を演出していたのが、当時現役プレーヤーだった元日本代表監督のジーコ氏だった。