主力事業の浮揚効果で判断
ということは資本提携と言っても、オリンパス株の6%程度を持つイメージになり、経営の主導権を握るレベルでは到底ないとも言える。笹社長らオリンパスの生え抜きの幹部たちは、他社の資本が入ることに抵抗した(今もしている)が、今年4月の経営陣刷新時に役員を派遣した銀行団が資本提携で経営安定化を急ぐことを促している構図だ。
ソニーやパナソニック、富士フイルムHDやテルモなどは、オリンパスの粉飾決算事件発覚後の昨年末から年明けには既に資本提携を打診している。協議にこれほど時間がかかっているのは、経営体制が混乱したため。本格的な協議が始まったのは今の笹体制が発足した4月20日以降にずれ込んだ。
オリンパスは6月8日に発表した中期ビジョンで今後の経営方針も発表。内視鏡や顕微鏡、カメラの主力3事業に経営資源を集中し、世界に30ある生産拠点を2015年3月期までに4割減らすほか、2014年3月期までに全体の7%にあたる約2700人の従業員を削減する。このため、主力事業を浮揚させる効果があるかどうかが提携先選びのカギを握る。