NTTドコモが2012年6月11日、CD・DVD販売大手「タワーレコード」を子会社化すると発表すると、ネットでは、アイドルグループ「モーニング娘。」が所属するハロープロジェクトのファンから悲鳴の声が挙がった。
タワーレコードは、ハロプロのコーナーを常設、イベントを開催するなど「ハロプロオタク(ハロオタ)」最後の砦などと言われてきたが、ドコモは今年から「AKB48」をフロントとしてCMなどに積極登用。そのためタワレコから、「ハロプロコーナー」が消滅してしまうのではないか、というのだ。
売り場やイベントが大変わりする心配
一昔前、アイドルグループといえば「モー娘。」を代表としたハロプロ勢が人気を独占していた。しかし、「AKB48」の台頭などによりファンの数は減少し、出演するテレビも視聴率が取れなくなってきた。今年4月にはCDレンタル・販売最大手の「TSUTAYA」が「モー娘。」のCDの販売を辞めた、といった噂も流れた。もっとも「TSUTAYA」は「CDを販売する棚には限りがある」ためだとし、CDの扱いを辞めたとの噂は完全否定した。
そんなハロプロファンにとって「最後の砦」と言われているのがタワレコだ。タワレコの嶺脇育夫社長は自他共に認めるアイドルオタクで、アイドルにハマるきっかけになったのが30代に出合った「モー娘。」。11年3月に社長に就任すると、タワレコ店舗内にハロプロコーナーを設置。アイドル・キャンペーン「Pop’n アイドル」ではハロプログループを積極登用するなど、ハロプロファンが喜ぶイベントを多数組んできた。
そうした経緯があるだけに、ドコモはタワレコを子会社化というニュースに、ハロプロファンには動揺が広がった。これからはドコモのコントロールで経営が進められるわけだから、ハロプロをキャッチアップしてきた嶺脇社長の交代もありえる。しかも、ドコモの顔は今や「AKB48」であり、当然のことながら品揃えは「AKB」が充実していくはずだ。そのため、タワレコのハロプロコーナーは撤去され、「Pop’n アイドル」も「AKB」中心に変わっていき「最後の砦が瓦解する」というのだ。