朝日新聞また「アサヒる」? 「AKBメンバー1人に2700票」に大疑問

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   AKB48の選抜総選挙第4回は、多くのメディアを巻き込んで大盛り上がりを見せた。

   大手マスコミも例外ではなく、朝日新聞も大きな記事で結果を取り上げた。しかし、記事で紹介されたコメントをAKBメンバーが否定、ファンの投票権購入金額もおかしいのではないか、と話題になっている。

「言ってもいない言葉。戸惑いを隠せない」

松井咲子さん(2012年4月30日撮影)
松井咲子さん(2012年4月30日撮影)

   2012年6月7日付の朝日新聞朝刊では、総選挙の開票が行われた日本武道館に駆けつけたファンのコメントを紹介している。

   53位だった松井咲子さんを推す男性は、11年冬に握手会を訪れた際「いっぱい票を入れるよ」と伝えると笑顔で「破産しないでね」と言われたという。この男性は53万円の貯金をはたいてオークションで約2700票の投票権を購入し、松井さんに投じたそうだ。「参加型イベントに出ると感情移入する。僕が支えなきゃ、と親心みたいな気持ちも芽生える」と話している。

   この記事について2ちゃんねるで、「ぼったくり風俗も真っ青だなw」「笑顔で『破産しないでね』なんか怖いんだけどw」「まんまキャバ嬢でクソワロタw」などと書き込まれた。ニュースサイト「ロケットニュース24」もこの記事を取り上げ、「53万円では破産はしないと思うが、一般の感覚からするとかなりの大金である」「中間発表で65位以下だった松井さんを53位にまで押し上げたことに果たして満足しているのだろうか…それとも残念に思っているのだろうか」などと書いた。

   しかし騒動になっていることを知った松井さんが7日夜にGoogle+で、

「言ってもいない言葉が取り上げられている。あの記事で初めて知ったことなのでどこまでが本当かわからないけど戸惑いを隠せません。そしてその言ってもいない言葉を信じている方が多いことが、なにより悲しい」

とコメントした。どの記事に対してなのか明言はしていないが、今盛り上がっている松井さん関連の話題は朝日新聞の記事中の「破産しないでね」という言葉なので、おそらく朝日新聞またはロケットニュース24を見て反論していると思われる。

   その後、松井さんは「書くか迷いました。でも誤解されたくなかった。AKBが悪く思われるのも苦しい」とコメントした。「破産しないでね」という言葉によって、AKB48全体が「キャバクラ」「風俗」などと揶揄されることに我慢ならなかったようだ。

朝日新聞は「紙面で報じた通りです」と回答

   松井さんの投稿に対し、ファンからは「信じる信じないは自由だけど、信じてる人は100%師匠(松井さんの呼称)のファンではない。社会現象になっている現状を記者は、面白おかしく書いているだけで、何の根拠も説得力も無いことは、すぐにわかる」「朝日新聞のことか?一人で53万円を使って2700票は考えにくい!単純計算で一票200円以下だ。まず考えられない!」など、記事ではなく松井さんを信じる、という応援コメントが多数寄せられた。また2ちゃんねるでは、朝日新聞の誤報から生まれたネットスラング「アサヒる」を取り上げ、「またアサヒったか」などと書き込まれた。ちなみに今回オークションでの1票の相場は1000円ぐらいだった。

   アイドルファンを自称し、自身のラジオ番組「JUNK 山里亮太の不毛な議論」(TBSラジオ)でも松井さんをゲストに招くなどしていた南海キャンディーズの山里亮太さんは6月8日にツイッターで、

「たった一つの嘘で人の努力が無駄になってしまう、人の気持ちが無駄になってしまう… AKB48の松井咲子さんの総選挙に関する記事を読んだ。うちのラジオでも大人気で、リスナー皆で応援してました。こういう時は悪い話を信じてしまいがちですが、どうか本人の言葉を信じてあげて欲しいです」

とツイートしている。

   松井さんはこれらのコメントを受けて、8日朝に更新したブログで「みなさんが予想以上に優しくてあたたかくて、信じてくれる人が少しでもいるなら、それでいいのかなんて思いました」と書いている。

   どのような形でファンに取材したのか、松井さんが発言していないとわかった場合、謝罪や訂正などの対応は取るのかなど朝日新聞社に6月8日に問い合わせたところ、12日に「お尋ねの件は、紙面で報じた通りです」とだけ返答を得た。

   AKB48を運営するAKSは、松井さんから事の次第について話は聞いているが、朝日新聞に対し抗議などの対応を取るか取らないかは全くの未定だという。

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