浜松市防潮堤に300億円ポンと寄付 「一条工務店」とは?

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創業者が「防潮堤で安全、安心が手に入る」と発案

   これだけの公共事業を民間企業1社の寄付で行うのはきわめて異例だ。寄付を決めた一条工務店グループは、1978年に浜松市で操業。全国に営業拠点を持ち、木造注文住宅メーカーとしては大手だ。免震住宅では、国内では8割の圧倒的なシェアを持っている。同社ウェブサイトによると、11年3月31日時点で、連結ベースの売上高は2189億円で経常利益は191億円だ。株式は上場していない。リーマンショック後は順調に業績を伸ばしている。

   同社によると、今回の計画は創業者の大澄賢次郎氏が発案。創業地の浜松は地震や津波のリスクが高く、「防潮堤で安全、安心が手に入る」「創業の地に恩返しがしたい」と考えたという。だが、一企業が防潮堤を整備するのは現実的ではないことから、11年4月頃、自動車大手スズキ(浜松市)の鈴木修会長兼社長に仲介してもらい、静岡県や浜松市に整備計画を打診したという。

   寄付額は、同社が防潮堤の総工費を試算したところ、300億円以内で収まると判断したことを根拠に決めた。

   着工は14年4月以降になる見通しだが、同社では

「思いとしては1日も早く着工してほしい」

と話している。

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