民主党岡山県総支部連合会が、次期参議院選挙で現職の姫井由美子議員(53)を公認候補として党本部に申請しないことを決めた。
姫井議員は「相談もできなかった」「一方的な発表」として決定を批判している。過去のスキャンダルなどで崩れた、有権者や県連との信頼関係は回復できないのだろうか。
不倫スキャンダルで「信頼回復にはまだ非常に大きな壁」
岡山県連は2012年6月10日の常任幹事会で、姫井議員を13年夏の参議院選挙で党本部に公認を上申しない方針を決めた。姫井議員の不倫をめぐる週刊誌報道などを受けたもので、姫井議員を除く常任幹事会のメンバーの全員一致で決まったという。柚木道義代表は「残念ながら、この参議院の1議席における県民の皆さんの信頼回復には、非常に大きな大きなまだ壁があって、乗り越えることができなかった」と話した。
姫井議員は1999年、民主党公認候補として岡山県議会議員選挙に出馬し当選した。その後2007年の参議院議員通常選挙で、「姫の虎退治」をキャッチフレーズに選挙活動し、見事自民党の片山虎之助氏を破り初当選を果たした。
しかし07年8月、元高校教諭との不倫スキャンダルが報じられる。姫井議員は既婚で一男一女の母だが、元教諭と頻繁にラブホテルで密会し、「彼女はかなりのMで『ぶって、ぶって』とよくせがまれた」などと性生活を暴露されてしまった。それ以来「ぶって姫」と呼ばれるようになるほど、このスキャンダルは大きなインパクトを与えた。
しかしこのスキャンダルのイメージが強すぎるためか、インターネット上では「まだ議員だったことに驚き」「何か仕事してんの?ぶってぶっての件以降見かけねーぞ」などと言われている。現職の議員ということもあまり知られていない寂しい状況だったようだ。
「希望は捨てていない。変わらず政治活動頑張る」
姫井議員は県連の決定について自身のブログで説明している。県連が4月29日に「次期選挙は姫井以外で行く」と話し合っていた。それを受けて6月3日に常任幹事会で決定したいと代表から言われたが、姫井議員は6月2~3日で東日本大震災復興応援ツアーを企画していたため、不在の中での決定は避けてほしい、今後の政治家としての進退に関わる重大な問題であるため支援者に相談する時間がほしいと要望したという。
しかし6月10日に上申見送りの発表があり、「一方的であり、私自身も困惑しているところ」と主張する。「私は、現役の民主党国会議員であり、今まで同様これからも政治家として岡山県の皆様のために頑張っていく決意に変わりはありません。『政治は生活』『国民の生活が第一』をモットーにこれからも頑張ってまいりますので、何とぞ、ご理解よろしくお願いいたします」との考えを述べた。
とは言え公認が得られぬまま出馬しても、厳しい戦いが待っている。姫井議員はどんな心境なのか、県連の発表に対する岡山事務所での説明を終えた議員に話を聞いた。
姫井議員は公認上申見送りの理由について、県連から「支持率が低く、参院選で勝てる可能性が低い。当選後に色々なことがあり、信頼回復ができていない」と説明されたという。しかし県連はまだ新たな候補者を見つけておらず、党本部も了承したわけではないので希望は捨てていないという。支持率を増やすべく、岡山を中心に変わらず政治活動を続けていくと話した。