グーグル、アップルは「通信税」払え  欧州携帯事業者が負担求め国連提案

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6年前は「追加料金求めるのは合理的でない」

   実は過去にも類似の問題が起きていた。いわゆる「インターネットただ乗り」論争で、2005年後半から2006年にかけて米国や日本で議論となった。当時はまだスマホ、タブレット型端末とも「普及前夜」で、リッチコンテンツのダウンロードや閲覧はPCが中心だった。このため、ブロードバンド回線を提供する通信事業者やインターネットサービスプロバイダー(ISP)が、動画配信サービスに対して「インフラをただ乗りしているのではないか」と指摘、料金負担を求める意見も出された。

   国内では総務省が2005年12月から、「IP化の進展に対応した競争ルールの在り方に関する懇談会」を開催し、06年9月に提言内容をまとめた。その中には、リッチコンテンツの配信に関して追加的料金徴収の妥当性についても触れられている。

   コンテンツプロバイダーに追加料金を求めるか否かについては、「まず通信事業者側が合理的な根拠を示す必要がある」。そのうえで、コンテンツ配信が事業者のような「サーバー型配信」だけでなく、エンドユーザー同士によるファイル交換のような形態も登場していたため、「両者を峻別してサーバー型配信にのみ料金の支払いを求めるのは現実的に困難」と指摘している。そのうえ、個人ユーザーがネット上に動画をアップすることも可能になっていた。これらの点から、事業者のみに追加料金を課するのは合理的ではないと結論づけている。

   それから6年ほどが経過した現在は、当時はポピュラーでなかったモバイル機器によるリッチコンテンツの利用が主流になってきた。欧州のETNOの提案のように、国内でも「インターネットただ乗り」議論が再び熱を帯びてきているだろうか。総務省電気通信事業部に聞くと、現段階では2006年9月の提言内容が「最新」であり、その後この問題を取り上げた部会や懇談会が開かれた事実はないと説明する。国内の携帯電話会社など63社で構成する電気通信事業者協会(TCA)もJ-CASTニュースの取材に、「今のところ、携帯電話会社がコンテンツプロバイダーに負担を求めるような目立った動きはない」と話した。

   ただし、欧州と同様の悩みを国内の携帯電話会社が抱えていることは十分考えられ、今後類似のアクションを起こさないとも限らない。

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