グーグル、アップルは「通信税」払え  欧州携帯事業者が負担求め国連提案

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   グーグルやアップル、フェイスブックといった米国の大手コンテンツプロバイダーに対して、欧州の携帯電話事業者の団体がコストの一部負担を求める提案を、国際連合の機関である国際電気通信連合(ITU)に提出したと報じられた。

   類似の議論は数年前にも存在した。新たにスマートフォン(スマホ)の普及で、従来の通信会社やインターネット接続業者に加えて携帯電話会社も「参戦」し、問題が再燃した格好だ。

スマホやタブレットでトラフィック右肩上がり

スマホで動画を見る機会も増えてきた
スマホで動画を見る機会も増えてきた

   欧州の大手携帯電話やネットワーク事業者でつくる団体「欧州通信ネットワーク事業者協会(ETNO)」は2012年6月8日、国際間の通信サービスに関する取り決めである「国際通信規約(ITR)」の修正案をITUに提出したと発表した。ITRは1988年を最後に改訂されていない。

   この修正案が流出したと、米CNETは伝えた。中身には、大手コンテンツプロバイダーに対して「インターネット税」ともいえる費用負担を求める案が盛り込まれているという。記事中では該当企業としてアップルやグーグル、フェイスブックといった名前をあげている。米国企業が対象となるため、国際機関に訴え出たものと推測される。

   音楽や動画といった「リッチコンテンツ」を楽しむ人が多くなるとともに、ネットのトラフィックは右肩上がりを続けている。例えばアップルの場合、楽曲や映画のファイル、アプリの入手に使う「アイチューンズ」への接続はパソコンに加えてスマホやタブレット型端末が登場し、それとともに利用者は増加中だ。世界中にユーザーを抱えるグーグルは、検索やメールをはじめサービスの中心がネット上でデータをやり取りするクラウドコンピューティングで、ネットワークへの負荷も大きい。

   一方で、ウェブサービスを支える通信インフラの整備は、通信事業者にかかっている。近年はスマホ利用者が急増しており、国内外を見ても携帯電話回線は従来の第3世代(3G)の増強や次世代通信規格「LTE」への移行、無線LAN(Wi-Fi)網の拡充と次々に対応しなければならないのが現状だ。コストが重くのしかかる中、すでに海外の一部事業者は、データ通信定額制を廃止して利用分に応じて料金を徴収する従量課金制に変更。利用者に「ツケ」が回っている。

   とはいえ、値上げだけで対応しようとすれば利用者離れを起こす恐れもある。ETNOの提案は、容量の大きいデータを流してインフラに負荷をかけているコンテンツプロバイダーにも、応分の負担をしてもらおうというのだ。

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