日本人と中国人の金銭感覚の違いが、ネット上でちょっとした話題になっている。日本人は、デートで「割り勘」することが少なくない。だが、中国人留学生が日本人男性と交際して初めてのデートで「割り勘」になって面食らったというのだ。
留学生によると、中国人は「デート代はほとんど男性が出す」そうで、カルチャーショックは大きかったようだ。だが、中国でも、状況は少しずつ変わりつつあるようだ。
女性が払うというと相手に嫌われる
問題提起をしたのは、働く外国人や留学生が情報発信している「A Power Nowニュースブログ」に寄稿している中国人の女性留学生。このブログは、ライブドアの「BLOGOS」に配信されており、比較的読者も多い。ブログに2012年6月7日に投稿された記事によると、筆者は割り勘に対して、
「恋人とのデートなのに、なぜ自分もお金を払わなければならないのかという理由に関してまったく見当がつかなかった」
と、驚きを隠さない。そして、
「中国では、少なくとも私の出身地の浙江省では、デート代はほとんど男性が出します。ランチとかの食事代については絶対といっても過言ではありません。実際、女性が払うというと相手に嫌われます」
と説明。男性が全額払うことが相当徹底されているようだ。その理由については、
「ズバリ、男のプライトとメンツです」
と断言している。
日本では6年間で「割り勘率」大幅上昇
確かに、ブログの筆者が指摘するように、日本でのデートは割り勘が一般的なようだ。
少し古いが、1998年と2004年に約9000人を対象にキリンビールが行った「『20代のお酒の飲み方』に関する調査結果」だと、割り勘比率に近いデータが示されている。「恋人とお酒を飲む時の男女別支払い比率」を見ると、04年が男性54%、女性が46%。ほぼ折半していると言える。ただし、前回1998年の調査では、男性61%、女性39%と、男性がおごる割合が、かなり高かった。この変化について、キリンでは「『自分らしく等身大』の価値観がよみとれる」と分析している。平たく言うと「男性が無理しておごることが少なくなった」ということのようだ。
この傾向は、最近の調査でも同じだ。マーケティング会社のインフィニティが2011年に独身女性130人を対象に行ったアンケート調査によると、クリスマスのデート代について45.4%が「割り勘」と回答している。
ただ、中国でも都市部では状況が変わりつつあるようだ。新華社通信系の「中国証券網」によると、武漢市(湖北省)の約10校に所属する、異性と交際中の大学生約120人を対象にアンケートを行ったところ、「デート代を割り勘する」との回答が全体の92%にのぼり、「すべて男が負担」との回答は4%に過ぎなかった。
アンケートに答えた女子大学生は、
「女性は強くあるべきで、経済的独立は、その現れだ」
などと話したという。