菅前首相「早く原発やめた方がコスト小さい」 ブログで再稼働の野田首相に反論

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   野田佳彦首相が2012年6月8日夕、記者会見で関西電力大飯原子力発電所(福井県おおい町)3、4号機の再稼働が必要だと明言したことに、菅直人前首相がブログで反論している。

   菅前首相は9日朝のブログで、「原発を止めたままでは日本の経済は立ち行かない」とした野田首相に対し、脱原発でも「日本は立ち行く」として、脱原発を前提とした政策を考えるべきだ、と提言した。

電力不足「国民の理解と協力があれば何とか乗り切れる」

脱原発でも「日本は立ち行く」と提言する菅前首相
脱原発でも「日本は立ち行く」と提言する菅前首相

   菅前首相はブログで、脱原発のために検討する項目として「安全性」「電力不足」「経済的問題」の3点を挙げる。このうち安全性については、原発が停止したまま廃炉に向かえば「最も高い安全性を確保できる」とし、電力不足についても、

「短期的には関電管内がかなり深刻だが、電力会社間の融通、省電力の徹底など国民の理解と協力があれば何とか乗り切れる」

との見解を示し、「長期的には対応は十分可能」だとした。

   懸案は電気料金値上げなどの「経済的問題」だとし、「昨日の野田総理の記者会見も、『日本が立ち行かない』というのは、電力不足以上に、電気料金の値上げなど、主に経済的な理由を考えてのことだと思う」と野田首相の立場に理解を示しつつ、

「しかし、原発の運転を続けたときのすべての原発のコスト、つまり、電力会社の収支や電力料金だけでなく、核廃棄物の処理など、国として現在から将来に向けて必要となる全体のコストを考えると、早く原発をやめた方がコストは小さくて済む」

と強調。

   「早期の『脱原発』という方向を決めて、その前提で全ての政策を考えれば、日本は十分立ち行くはずだ」と結論づけている。

   菅前首相の主張にツイッターなどでは、「私も同感」などと支持する声も少なくない一方で、「数値的な裏付けがない『直感』と『希望的観測』ばかり」「この方が本当に首相をされていたとは」といった批判も出ている。

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