世帯ごとの判断「役所としては難しい面がある」
生活保護の受給者は、2011年7月に205万人を超えて過去最多となってからも、毎月のように増えている。とくに目立つのは、働ける世代を含む「その他の世帯」の増加だ。10年度の受給世帯は前年度と比べて3割増の約22万7000世帯にのぼった。
生活保護費は、年齢や世帯構成、居住地域などに応じて決まる最低生活費から、給料などの収入を差し引いて支給される。全国一律な基準はなく、各地方自治体の福祉事務所が判断する。
前出の自治体の生活保護担当者によると、「生活保護は世帯ごとで判断していくが、子供の年収が700~800万円あるのに親の扶養を断るケースは山ほどある。ただ、生活保護の場合、親子の人間関係にも立ち入るので、役所としては判断が難しい面がある」と弁明する。
本来慎重に処理すべき案件であっても、スピード優先で処理件数だけどんどん増やせば、その中に「不正」と思われる案件が紛れ込んでも不思議はない。