中国の日本国債の保有が急激に広がっている。中国の日本国債の保有残高(短期国債を含む)は2011年末時点で約18兆円と、前年に比べて約71%増加し、過去最高となったことが、2012年6月5日にわかった。財務省、日本銀行が公表した国際収支統計などによると、海外勢の日本の国債の保有残高は11年末で約92兆円と前年比27%増だったが、なかでも中国の保有残高は09年から急増しており、10年には米国と英国を抜いて日本国債の最大保有国となった。
過去2年間の伸び率は5.2倍にのぼる。中国政府が米ドルで保有する外貨準備を、円に移す動きを強めている。ドルに偏った運用では為替差損が拡大する懸念があることから、ユーロや円などへ分散しているとみられ、その資金の一部が日本国債へと流入しているとみられる。